ドルが基軸通貨としての信認を得ている限り、いかに巨額の貿易赤字が累積しても、他の国々のように外貨準備が枯渇し、国際収支改善のため、強力な引締め政策を発動するといった事態には直面しません。極端な言い方をすると、ドル紙幣の印刷を増やして決済すれば、直接的に痛みを感じる自覚症状はなかなか出てこないのです。ただしそれは永久に続けられるものではありません。あくまで“ドルが基軸通貨としての信認を得ている限り”である点を見逃せないのです。この点で重要なのは、対外債務残高の推移です。貿易収支と貿易外収支を加えた経常収支の赤字は、海外からのファイナンス、つまり借金によって補われます。したがって経常収支の赤字は、結局それだけアメリカの対外的な借金を増大させることになります。こうしたプロセスを経て、日米の対外純資産・負債の残高がどのような推移をたどったかを示しています。
資本金に関連する話ですが、会社設立の登記手続きに必要だった「払込金保管証明書」という書類も不要になりました。従来は会社を設立する場合、株式の払込金額を実際に入金し、銀行などの金融機関から、会社設立後にその資金が使えることを証明してもらう必要がありました。その証明書が払込金保管証明書です。この払込金保管証明書は、発行する側の銀行にも重い責任がかかるため、銀行も簡単には払込事務を引き受けないという現実がありました。また、発行までに時間と手間がかかる上、資本金として払い込んだお金を設立登記が完了するまで使えないという問題もありました。しかし、発起設立(=会社設立の段取り役である発起人の出資だけで会社を設立)の場合には、払込金保管証明書が不要になり、出資払い込みがあったことを証する書面でOKになったのです(発起人以外が出資をする募集設立の場合には払込金保管証明書が必要)。出資払い込みがあったことを証する書面は、会社代表者が作成した証明書に通帳のコピーを添付すればよいので、会社設立のスピードアップにもつながります。
第二次世界大戦後、世界経済をリードしてきたのがアメリカであることは、いまさらいうまでもない。アメリカは、東西冷戦では西側陣営を束ね、ソ連を中心とする東側社会主義陣営と対立しながら市場主導型資本主義を世界に拡大させた。1960年代に高成長・低インフレの黄金期を迎え、70年代には石油ショックに見舞われて失速したものの、80年代後半になるとすっかり復調する。90年代にはグローバル化の進展と規制緩和、投資促進、ITブームなどが相まって生産性が著しく向上、株価も右肩上がりで上昇し、多くの企業が空前の利益を計上することになった。その後、2001年の金融引き締め策で株価が急落し、景気拡大は止まってしまったが、それでも06年におけるアメリカの名目GDPは、約13兆2000億ドルで世界一。実質GDP成長率も3%前後と、先進国のなかでは比較的高い成長率を保っていた。
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