墓と埋葬法の多様化だ。一九七一年に全体に芝生を敷き詰めた洋風の霊園(東京都立八王子霊園)が登場して以後、日本の霊園は大きくイメージを変えたのだったが、一九九五年には日本初のガーデニング霊園(千葉県佐倉市の「佐倉ふれあいパーク」)が誕生。墓の形も多様化し、従来のような「代々墓」から「デザイン墓」へと流れが変わりはじめたのである。さらに象徴的なのが、墓そのものを排した「散骨」であろう。遺骨を細かく砕いて海や山野にまく。散骨を事実上、国が容認したのは一九九一年だった。この年、市民団体「葬送の自由をすすめる会」が相模湾で行った散骨(会では「自然葬」と呼ぶ)に対し、法務省が「葬送の一つとして節度をもって行われる限り、遺骨遺棄罪には当たらない」という見解を示したのである。現在の墓埋法(「墓地、埋葬等に関する法律」)は土葬と火葬しか想定しておらず、散骨に関する規定はない。が、上の見解によって、散骨は社会的にも知られるところとなり、現在ではこれを業務として請け負う葬儀社も少なくない。散骨を一歩すすめた樹木葬(遺骨を埋葬した場所に木を植える)、納骨堂(マンションのような形式で遺骨を収める)、合葬墓(大勢の遺骨をいっしょに埋葬する)なども一種の墓離れ現象だ。結婚式と葬式の両方で起こったこの変化は何に由来するのだろうか。一面からいえば、もちろんこれは冠婚葬祭のファッション化である。しかし、ファッションがファッションになるためには、それなりの背景も必要なのである。
新しく誕生する子供の行事としてのいちばん最初は、もしかしてこれかもしれない。妊娠中に行われる腹帯をつける帯祝いで、母体とおなかの赤ちゃんを守るための大切な儀式だ。これは妊娠五か月目に入った戌の日を選んで腹帯を締めるもので、ふつうこの帯が岩田帯と呼ばれている。安定期に入って大きくなりはじめた胎児を保護し、保温するという意味がある。岩田帯は紅白の絹地の儀式用と白い木綿の普段用を、妻の実家が「祝の帯」の熨斗をつけて贈る。そして戌の日に夫婦と両家の両親がそろったうえで、子供のいる知り合いの夫妻に帯親を頼み、その夫人が妊婦に帯を巻く、というのが昔ながらの正式な着帯の儀式。イヌは多産で安産なのでそれにあやかる意味から戌の日が選ばれてきたのだが、現代はこだわる必要もなく、また腹帯も、病院でマタニティーガードルやマジックタイプの帯のつけ方の指導を受ける妊婦も多い。たとえ使わなくても、贈られた帯は絹は赤ちゃんの産着に仕立て、木綿はおむつにするといった昔ながらの出産後の使い道があり、お祝いだけでもしたいものだ。
あいさつの基本は次の4つ。「あ」……明るく。「おはようございます」と笑顔とセットの弾んだあいさつには、されたほうも思わず返してしまう。これはコミュニケーションの第一歩だ。「い」……いつも。人間は天候や体調によって気分が左右されるものだが、それをクリアして、こまめに、誰にでもあいさつできるのがプロ。悩みごとがあっでも、嫌な相手にでも、変わらないあいさつを心がけよう。「さ」……先に。あいさつは先にしたほうが印象に残る。こちらから話しかけることで、話のイニシアティブをとることもできる。あいさつは先手必勝だ。「つ」……伝える。口を動かし声を発するだけではあいさつは成立しない。相手に会えた感謝の気持ちを「ありがとう」「大好きです」などと心の中で唱えながら、目を合わせたり、頭を下げたりすれば、それが表情に表れ、相手に発信される。人に会い、商品を売り込む営業のプロでも、このあいさつの基本を知らない人が意外に多い。商品に対する研修は真剣に受けるものの、マナーやしぐさについてはおざなりにしていたという保険会社のある営業マンは、この基本を意識しだしてから、売り上げが前年度より120%伸びたと喜んでいた。あいさつを制するものはビジネスを制する。誰でもできる基本の法則、ぜひ実行してみてほしい。
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